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人は情報を受け取るとき、「何を言ったのかより」誰が言ったのかより、「誰が言ったのか」を重視する傾向にあります。
例えば、あるサプリメントがあるとします。
白衣を着た男性に「このサプリメントは身体に悪いからやめたほうがいい」といわれるのと、Tシャツにジーンズの金髪の男性に「このサプリは身体に良いから続けたほうがいいよ!」といわれたらあなたはどちらを信じますか?
おそらく、白衣の男性を信じるでしょう。
企業がこぞってカリスマ経営者や人気タレントを高額のギャラを払ってまで広告塔として起用するのも、「誰が言ったか」を重視するひとが多いのかを示しています。
これは仕事の上でも同じです。
会社の中には必ず意見が通る人がいます。
自分の根拠にしっかり自信を示せる信頼度の高い人のほかに、地位の高い役職の人、声の大きな自己主張の強い人、言葉が巧みな人、立ち回りの上手な人なども該当するかもしれません。
ある会社で作業手順をより効果的に変えるためのミーティングが行われました。
基本的には現状と同じ手順で一部を変更するという内容のA案と、手順を大幅に組み替える内容のB案がありました。
A案を提案したのは、ベテラン社員です。
一方B案を提案したのは新入社員です。
課長はA案を強く支持しました。
理由は「作業手順を大きく変えると、不慣れな仕事をする人が出てくるうえ混乱が生じるから」といったものでした。
一方B案を一部の若手契約社員は、B案がいいのではと発言しましたが、結局課長が言っていることが妥当だろうとなり、A案で決定と部長に提出することになりました。
提出の翌日、部長は課長を呼び出して、「なぜA案になったのか。B案のほうが30%ほど作業時間の短縮が図れて、余剰人員も出るから、他の仕事にてを回せるのでは。」といわれました。
部長はB案もしっかり読み込んでいました。
課長は、「A案はベテラン社員の案で、B案は新入社員の案だったので、A案にしました。」と答えると、部長は「誰の案かは関係ない」とひどく叱責しました。
このように、誰が言ったかにとらわれてしまうと、常に同じ意見がが優先されるなど、意見が偏ってしまいます。
そうなると、正しい判断ができなくなってしまいます。
一度判断を誤ると修正するのに余計な時間や手間がかかります。
仕事が早く終わる人は話の内容を重視します。
この人は経験が浅いから、あの人のは理論的でないからなどと、内容を重視せず切り捨てるのではなく、いい意見ならそれがだれの発言であっても取り入れていくことが大切だと思います。
いいアイデアはだれが持っているかわかりません。
そこに経験や年齢は必ずしも関係してきません。
普段どれだけパフォーマンスが悪い人が言ったことでも内容が良ければ採用する。
それが仕事の効率化につながり、時間短縮になります。
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