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人の輪に入らず、ぽつんと一人ぼっちでいることを孤独と呼びます。
「個人は、ただ社会的な文脈の中においてだけ個人となる」とアドラーは述べています。
人は対人関係の輪の中に入らずして生きていくことはできません。
孤独は共同体感覚の対極に位置します。
孤独のままで、幸福になることはできないのです。
しかし、人は往々にして自ら孤独を選ぶことがあります。
その目的は、多くの場合「対人関係で傷つくことを避ける」ためです。
まさに劣等コンプレックスです。
そして、その強い劣等感を隠すために、仮想のストーリーを作りだします。
それは優越コンプレックスとして現れます。
「私は、ほかの人とは違う高貴なる人間である、一段高いところにいるのだから、ほかの人とは交わることはできない」という、偽りのストーリーです。
アドラーはこれを「自己陶酔」と呼びました。
このように、孤独は二つの目的をもって利用されます。
他者を仲間ではなく敵だと思う人は、傷つけられることを恐れて孤独を選びます。
そして、自らを特別な存在として位置づけ、自己陶酔するために孤独を選びます。
残念ながら、どちらの共同体感覚とは程遠い感情です。
人と人を引き離す感情なのです。
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